
教養としての決済
ゴットフリート・レイブラント, ナターシャ・デ・テラン, 大久保 彩, and 上野 博
東洋経済新報社 / 2022-08-26
この本について
決済まわりの仕事をしていると、「技術の話なのか金融の話なのか、どこから理解すればいいのか分からない」というモヤモヤがつきまといます。APIだのスマコンだのフィンテックだの、言葉だけは追えても、現場の判断にどうつながるのかがつかみにくいんですよね。僕自身もしばらくその霧の中にいました。 この本は、その霧を一気に晴らすというより、決済を動かしている“力学”を具体的なエピソードで輪郭づけてくれるタイプの教養書です。たとえば、Stripeの「決済はコードの問題」という思想が現実ではどこで複雑さにぶつかるのか、あるいは銀行がAPI開放を恐れた理由がインドUPIの事例でどう現れたのか。暗号資産やスマートコントラクトも、仕組みそのものより「結局どんな負債のやり取りになっているのか」という視点で語られるので、あいまいに理解していた部分が実務感覚に落ちていきます。 そして、一見テクノロジーの話のようでいて、最終的には「人は支払いそのものをしたいわけじゃない」という、ごく日常的な行動の説明に戻ってくる。この地に足のついた構造化のおかげで、決済領域をどう捉えるべきかがだいぶ整理されました。技術に寄りすぎても金融に寄りすぎても腑に落ちなかった人には、とくに向いています。 「決済の裏側を“一枚の地図”として持っておきたい人」に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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