
タンパク質の一生-生命活動の舞台裏 (岩波新書)
永田 和宏
岩波書店 / 2008-06
この本について
日々仕事に追われていると、自分の体がどう動いているのかなんて、あまり深く考えませんよね。疲れやすいとか、最近なんとなく回らない気がするとか、そういう実感だけはあるのに、理由はよく分からないまま進んでしまう。僕も同じで、どこかで「人間ってどうやって生きてるんだっけ」という素朴な疑問をずっと放置していました。 『タンパク質の一生』を読んでおもしろいのは、その疑問への答えが、ものすごくミクロな世界の“ドラマ”として示されていくことです。たとえば、一本のヒモとしてつながったアミノ酸が、細胞の中で正しい場所に運ばれ、働き、そして寿命を迎える。僕らが気づかないところで、そんな「誕生から死まで」の流れが休むことなく繰り返されていると知るだけで、自分の体の見え方が少し変わります。また、六〇兆個の細胞の中にある膨大なDNAの長さを知ったときの、宇宙をのぞき込んだような感覚も、この本ならではでした。 もうひとつ印象に残ったのは、細胞の“インフラ”の話です。レールのような構造の上を、モータータンパク質が荷物を運んでいく。体の中って、もっと無秩序に動いていると思っていたので、こんなに精巧な交通システムがあると知って妙に安心したんですよね。生き物って雑にできているようで、実はものすごく丁寧に支えられているんだなと。 自分の体を「ブラックボックスのままにしておくのが落ち着かない人」に、とても合う本だと思います。難しい専門書というより、生命の舞台裏をのぞく感覚で読めるので、僕みたいに理科に苦手意識があってもスッと入ってきました。読んでみると、自分の体に少しだけ敬意を払いたくなるかもしれません。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
読書の順序
この本の前に読まれた本
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要





