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男が痴漢になる理由

男が痴漢になる理由

斉藤章佳

イースト・プレス / 2017-08-25

累計読者数11
平均ハイライト数 64.2件/人
推定読了時間 約3時間32分
star総合評価 72/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 30%

この本について

電車で痴漢のニュースを見るたびに、「なんでこんなに繰り返されるんだろう」と思うことがありました。冤罪の議論ばかりが先に立って、本質的な仕組みが見えないままモヤモヤしていたんですが、この本を読むと、行為の裏側にある“依存”としての構造がかなり具体的に見えてきます。読んでいて楽しい内容ではないけれど、現実を知ることで初めて腑に落ちる部分がありました。 特に刺さったのは、痴漢が一部の特殊な人間の異常行動ではなく、「学習された行動」であり、満員電車や取り締まりの弱さといった“環境”が拍車をかけているという視点です。また、加害者が口をそろえて言う「スイッチが入る」という感覚が、衝動性やドーパミンの問題と地続きになっている点も、自分の想像よりずっと複雑でした。罪悪感よりも“手応え”が上書きされていくプロセスや、「女性も喜んでいると思った」といった認知の歪みも、加害のリアリティとして突きつけられます。 読後に残るのは恐怖ではなく、「知らないままで議論しても噛み合わないよな」という感覚でした。被害の痛みを軽んじることなく、加害のメカニズムを現実的に理解したい人に向いている本だと思います。強い主張で読者を動かそうとするタイプの本ではなく、ただ淡々と事実と臨床の現場が積み重ねられているので、自分の中の思い込みを静かにほどいていくような読書になりました。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

痴漢は、依存症です。 痴漢の多くは、勃起していない。 痴漢の多くは、よき家庭人である。 痴漢撲滅を目指し、加害者を見つめ続ける性犯罪・依存症の専門家が、社会で大きく誤解されている「痴漢の実態」を解明する。 世間の“痴漢像”には誤解がいっぱい。 ・痴漢は女性に相手にされない、さみしい男である。 ・性欲をコントロールできないから、痴漢に走る。 ・肌を露出した女性は、痴漢に狙われやすい。 ・電車内に防犯カメラを搭載すれば、痴漢は減る。 ・痴漢よりも、冤罪事件が問題だ。 ……など。
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