
現代思想 2017年12月号 人新世 ―地質年代が示す人類と地球の未来―
中村桂子、水口憲哉、 B・ラトゥール、 C・B・イェンセン
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この本について
仕事でも生活でも、「人間が中心にいる前提」で物事を考えるクセが抜けないな…と感じることがありませんか。環境の話題に触れるたびに、自分がどの立場から語っているのかよく分からなくなる、そんなモヤモヤもあると思います。 この号の『現代思想』は、その前提そのものをいったん横に置いてみよう、と静かに提案してきます。例えば、人間と自然を切り分ける発想がすでに成り立たなくなっているという指摘や、文化人類学が「人間だけ」を対象にしてきた枠組みを見直している現状が紹介されます。読んでいると、自分の思考の土台が少しずつほぐれていくような感覚がありました。また、人新世の議論が科学だけでなく政治や植民地主義の歴史にも深く関わっていると示される場面では、環境問題を単純に「技術で解決」という話にできない理由が腑に落ちてきます。 個人的には、「自然とは外側にあるもの」という思い込みが外れたことで、日常の判断に余計な上下関係を持ち込まなくて済むようになりました。人間が何かを“コントロールする側”ではなく、さまざまな存在の中に埋め込まれて動いているだけかもしれない、という視点が入ると、行動の選び方が少し変わります。 刺さるのは、「環境問題を語るときの自分の立ち位置が気になり続けている人」。正しい答えをくれる本ではなく、考え方の足場を組み替えてくれる一冊でした。
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