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最後は臼が笑う (Kindle Single)

最後は臼が笑う (Kindle Single)

森 絵都

累計読者数11
平均ハイライト数 2件/人
star総合評価 38/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 29%

この本について

人の「幸せそうに見える選択」や「どう考えても損に見える行動」を前にすると、つい口を出したくなる瞬間ってありませんか。自分なら避ける道なのに、なぜその人はそこへ向かうのか。止めるべきか、見守るべきか。その境界がいつも曖昧で、私はよく迷います。 森絵都『最後は臼が笑う』は、そのモヤモヤを真正面から揺さぶってきました。登場する桜子は、誰が見ても“ダメ男”にばかり惹かれていくのに、そこに彼女なりの「愛しい一点」を見つけてしまう。傍から見ると不合理なのに、当人の内側には当人だけの秩序がある。その感じに、読者は強く反応しているんだと思います。「幸せの形は人それぞれやん」という桜子の言葉は、他人の人生を外側から決めつける自分の視点をそっとずらしてくれる。 そしてこの作品が面白いのは、善悪の捉え方がゆらぐところです。悪は近付くほど形を変え、善はむしろ近づいたときにこそ綻びを見せる。作者が提示するこの反転は、他人の行動をラベルで判断しがちな私たちに、小さな余白を作ってくれます。何が正しくて何が危ういのかは、距離によって変わる。そんな当たり前を、物語がじわっと実感にしてくれました。 他人の“選択の理由”を外から測れずに悩んできた人ほど、静かに刺さるはずです。

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