
カラフル (文春文庫)
森 絵都
NHK出版 / 2025-02-25
この本について
仕事でも人間関係でも、相手の気持ちをわかったつもりで判断してしまって、あとから「全然見えてなかったな…」と落ち込むことがありませんか。自分の悩みで手一杯になると、周りの人の傷までは想像が届かなくて、気づいたら世界が一色に見えてしまう、みたいなことってけっこうあると思うんです。 『カラフル』は、まさにその「一色に見えてしまう瞬間」をひっくり返してくれる物語でした。黒だと思いこんでいたものの中にいろんな色が潜んでいたり、人って自分が思う以上に複雑で、そして同時に不器用だったりする。真が家族や友人との関係を少しずつ見直していく過程は、派手さはないけれど、自分の世界の色合いがじわっと変わっていくあの感じに近いです。誰もがちょっとずつ誰かを誤解したりされたりしながら、それでもなんとかやっているんだと思えるだけで、胸の重さが少しだけ薄くなる気がしました。 それに、人生を「長めのホームステイ」と捉える視点もすごく気楽で救われました。うまくいかない時期が続くと永遠にこのままなんじゃないかと怯えてしまうけれど、登場人物たちの言葉が思いがけず背中を押してくれる場面が多いんです。再挑戦の期間を忘れず、自分を縛りすぎない感覚を思い出すこと。これだけで、行き詰まった日常の中でも一歩だけ動ける余白が生まれるように思います。 自分も人も「一色じゃない」と信じたい人に、静かに効いてくる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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