
持続可能な医療 ──超高齢化時代の科学・公共性・死生観【シリーズ】ケアを考える (ちくま新書)
広井良典
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この本について
「医療って、このままずっと成り立つんだろうか…」と、なんとなく胸の奥にひっかかることがあります。診察室でのバタバタ感や、家族の介護の現場を見たときの言いようのない違和感。自分の悩みというより、社会全体のほころびを見ているような気持ちになるんですよね。 広井良典さんの『持続可能な医療』は、そのモヤモヤを“問題意識としてちゃんとつかむ”ところから始めさせてくれます。たとえば、高齢化が「長寿の結果」よりも「少子化の影響」が大きいという指摘は、よく聞く話の裏側にある構造を静かに示してくれるし、医療費の6〜7割が高齢者に向かっているという現実も、医療を「高齢者産業」として見たときに初めて理解が進むところです。また、高齢者ケアで“できないことのリスト化”に終始してしまう現場に対して、「あるものを探す」という視点を取り戻そうとする姿勢が、現実的なのにどこか希望を感じさせます。 読みながら、自分の中の「医療の悩み」って専門知識の不足じゃなくて、価値観の変化に社会が追いついていないことから来ていたんだな、と気づかされました。医療の話なのに、どこか人生観にまでつながってくる本です。 医療や介護に関わっている人はもちろん、「この社会の行き先が気になり始めている人」に静かに刺さる一冊だと思います。
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