
2030―2040年 医療の真実 下町病院長だから見える医療の末路 (中公新書ラクレ)
熊谷賴佳
この本について
最近、「親の介護や自分の老後って、このまま本当に大丈夫なんだろうか…」と考える時間が増えました。ニュースで医療の逼迫を聞いても、実際のところ何が起きているのかはつかみにくいまま、漠然と不安だけが残る感じがあります。わたし自身も同じようにモヤモヤしていたのですが、この本を読んで、未来の医療が“なんとなく悪くなる”という話ではなく、数字と現場から見た「具体的にどう変わるのか」を冷静に理解できました。 刺さったのは、2040年には高齢者人口がピークを迎え、認知症の患者数も右肩上がりのまま増えていくという、にごしようのない事実でした。著者は病院長として日々現場を見ている人なので、制度や仕組みがどう追いつかなくなるのかを淡々と描き出してくれます。たとえば、点滴で意識を取り戻したときの反応でわかる認知症の種類など、医療者の中でもあまり共有されていない知識がさらっと書かれていて、未来の医療が足りなくなるという話が単なる「恐怖の予言」ではなく、すでに進行中の現実だと腑に落ちました。 とはいえ、この本は絶望をあおるわけではありません。むしろ、どこが危うくて、何を今のうちに知っておくべきなのかを見晴らしよく整理してくれます。自分や家族の判断が必要になる場面を、少し想像できるようになっただけでも、モヤモヤが行動に変わる感覚がありました。 親の介護も、自分の老後も「その時考えればいい」で済ませられなくなってきた人に、静かに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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