
逃げられない世代―日本型「先送り」システムの限界―(新潮新書)
宇佐美典也
新潮社 / 2018-06
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推定読了時間 約5時間7分
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この本について
仕事でもニュースでも、「なんで日本ってこんなに動かないんだろう」と思う瞬間ってありませんか。制度の限界は感じるのに、じゃあ何が詰まっているのかはよく分からない。自分の努力とは別のところで社会が止まっているような、あのどうしようもないモヤモヤです。 この本は、その正体を“上からの目線”ではなく、官僚として現場にいた著者の実感レベルで描いてくれます。たとえば、国会での議論が表向きのものに過ぎず、裏では与党の事前審査で全て固まっているとか、官僚が「問題を問題と思わせない」ために奔走している構造とか、改革を仕掛ける側にいながら改革幻想に囚われていた若手官僚の苦悩とか。読んでいると、日本が動かない理由が“怠慢”ではなく、むしろ個々が必死に先送りし続けた結果としての限界なんだと腑に落ちます。 個人的には、「官僚も政治家も、実はみんなギリギリで回している」という視点を得てから、世の中への見え方が少し変わりました。誰か一人を責めれば済む問題じゃないし、自分の仕事でも“先送りの構造”がどこに潜んでいるかを考えるようになったのは、この本のおかげです。 政治に詳しくなくても大丈夫で、「自分が暮らしている社会の仕組みをちゃんと知りたい人」にはしっくりくるはずです。自分の無力感の正体を言語化したいときに、静かに効いてくる一冊でした。
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