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聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた (講談社文庫)

聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた (講談社文庫)

井上真偽

講談社 / 2016-07-06

累計読者数3
平均ハイライト数 18件/人
推定読了時間 約4時間53分
star総合評価 51/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 19%

この本について

人間関係の裏側が読めないときって、ちょっと疲れませんか。相手の本心を探ろうとしても、結局は自分の思い込みで判断してしまって、かえって混乱する……。僕もよくそういう袋小路に入るのですが、『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』を読んでいると、視点を切り替える余白みたいなものが生まれるんですよね。 この作品の人物たちは、とにかく癖が強い。夾竹桃や南京錠、地下の納戸、家政婦の不自然な振る舞い、青髪の探偵まで、とにかく「情報が過剰」な世界。その中で一つひとつの言動を丹念に拾っていくと、最初に抱いた印象がどれだけ曖昧なものだったかがよく分かります。論理で人を見るというより、「見落としていた可能性」を丁寧に拾い直す感覚に近いです。特に、静かな会話シーンの裏に小さな違和感が潜んでいて、後から「あれが意味を持つのか」と気づくところは、現実の人間関係にもそのまま持ち帰れる感じがしました。 それに、この物語の魅力って、誰も完全な善人にも悪人にも描かれないところなんですよね。派手な装いの親戚や、老けて見える女性、家政婦の不自然な料理下手。それらが「ラベル」を貼らせるけれど、物語が進むとそのラベルがどれほど頼りないかが露わになる。固定観念のほうがよほど暴力的なんじゃないか、とハッとさせられました。 表の顔と裏の顔の間でよく迷う人、相手を深読みしすぎてしまう人には、特に刺さる作品だと思います。情報が氾濫しているのに、決して読者を置いていかず、むしろ「可能性を一つずつ並べて確かめていく」という姿勢を自然と身につけさせてくれる物語でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

聖女伝説が伝わる地方で結婚式中に発生した、毒殺事件。それは、同じ盃を回し飲みした八人のうち三人(+犬)だけが殺害されるという不可解なものだった。参列した中国人美女のフーリンと、才気煥発な少年探偵・八ツ星は事件の捜査に乗り出す。数多の推理と論理的否定の果て、突然、真犯人の名乗りが!?青髪の探偵・上苙は、進化した「奇蹟の実在」を証明できるのか?
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