
突然、僕は殺人犯にされた
スマイリーキクチ
竹書房 / 2014-03-27
この本について
ネットで何か言われたとき、「事実じゃないのに説明しても伝わらない」「相談先がどこにもない気がする」みたいな、どうしようもない詰まり方をすることがあると思うんです。自分が冷静なつもりでも、相手はまったく別のロジックで動いていて、話が噛み合わないまま時間だけが過ぎていく。あの無力感って、本当にしんどいですよね。 『突然、僕は殺人犯にされた』は、その“噛み合わなさ”がどれだけ現実を狂わせるのかを、当事者の視点で淡々と描いています。警察や相談窓口に事情を説明しても同じ返答しか返ってこないこと。ネットでは匿名の「誰かの証言」が事実扱いされ、怒り狂った人たちが加速していくこと。専門家に頼ろうとしても分野が違えば役に立たず、自分の判断ミスにも気づけないこと。読んでいると、“自分の側がおかしいわけじゃなかったんだ”と少し呼吸がしやすくなるような感覚がありました。 この本が効くのは、勇気をもらうとか前向きになるというより、「現実の仕組みがわかることで、変な自己否定から抜け出せる」という方向です。理不尽な状況に巻き込まれたとき、人はなぜ判断力を失うのか。なぜ正しい情報よりも“面白い噂”が力を持ってしまうのか。なぜ相談先があっても助けてもらえないと感じるのか。読み進めるほど、あのモヤモヤの正体が少しずつ輪郭を持ちます。 ネットの空気に疲れた人、自分が悪いわけじゃないのに追い詰められてしまう感覚を知っている人に、静かに刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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