
いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識 (PHP新書)
荻上 チキ
PHP研究所 / 2018-07-13
この本について
いじめのニュースを見るたびに、何が本質で、どこから手をつければいいのか分からなくなることがあります。加害者探しばかりが盛り上がって、肝心の子どもたちのことが置き去りになっているように感じてしまうあのモヤモヤ。自分に子どもがいなくても、学校やメディアの話題を耳にするだけで、どう向き合えばいいのか戸惑う人は多いと思います。 この本がよかったのは、「いじめ」を一個人の性格問題ではなく、教室・社会・メディアがどう関わるかという“構造”として描いているところでした。たとえば、いじめ報道を見ているのは大人だけじゃなく、当事者の子どもたちも含まれている、という指摘。これは普段あまり想像できていなかった視点で、報道の一言が誰を追い込むのか、逆に誰を救うのかまで具体的に示されています。また、発達障害や性的マイノリティの子が受けやすいストレスの話も、「特別扱い」ではなく、誰もが過ごしやすい教室づくりの中で考えるべきだと位置づけられていて、現実的にどう支えるのかがイメージしやすかったです。 著者自身の経験や、研究が“個人的な痛みを言葉にしてくれる”というくだりも刺さりました。いじめを経験していなくても、説明できない苦しさに名前をつけてもらえる感覚が、少しだけ呼吸を楽にしてくれる気がします。 子どもに関わる仕事をしている人はもちろん、「社会の空気が誰かを追い詰める仕組み」を知りたい人に特に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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