
成長と承継のための PEファンド活用の教科書
波光 史成, 山田 裕亮, and 松下 憲
東洋経済新報社 / 2018-09-07
この本について
経営の現場にいると、「この会社、どこから手を付ければいいんだろう」とか、「古い慣習を残したまま歩みを止めている気がする」といったモヤモヤを抱えることが多いと思います。自分の力だけではどうにもならない構造的な課題にぶつかると、選択肢そのものが見えなくなるんですよね。僕自身、事業承継や組織改革に関わる中で、似たような壁に何度も当たりました。 この本が面白いのは、PEファンドを“お金の出し手”としてではなく、“経営の当事者として課題を動かす存在”として描いているところです。たとえば、社外役員としてのモニタリング、外部人材の導入、同業他社との統合まで含めた業界再編の視点など、単なる資金注入では届かない領域に手を伸ばすプロセスがかなり具体的に書かれています。また、PEが入ることで信用補完が働き、これまで動かなかった提携の話が一気に動き出す、というリアルな場面も印象的でした。個人の頑張りでは突破できない部分を、構造ごと動かす力があるんだなと理解できる本です。 「しがらみを整理する必要は感じているけど、一歩目のイメージがつかない」と悩む人には特に刺さると思います。事業承継や再編と聞くと遠い世界の話に感じますが、読み終わる頃には、経営の詰まりを解消するための“別の選択肢”として自然に見えてきます。気負わず読めるのに、視点はしっかり変えてくれる一冊でした。
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