
コンサルが「次に目指す」PEファンドの世界
小倉基弘 and 山本恵亮
クロスメディア・パブリッシング(インプレス) / 2023-12-15
この本について
キャリアの選択肢を考えるとき、「このままコンサルの延長線を走るだけでいいのか」「もっと事業の深いところまで踏み込みたいけれど、自分にその器があるのか」といったモヤモヤがどうしても出てきます。僕自身もそうで、特に30代に差し掛かる頃は“どの選択肢を捨てるか”の方が難しく感じていました。 この本が効いてきたのは、PEファンドという選択肢を“過度に美化せず”に、そのリアルな構造まで見せてくれたところです。たとえば、コンサルやIBの基礎スキルはあくまで土台で、そこから十種競技のように領域を横断し続ける仕事だという視点。外から提案するだけではわからない、株主として「解決の実行」までコミットする立場の重さ。そして、リスクを自分でも取るからこそ得られる報酬の仕組みが、労働者としての給与とは根本的に違うという話。どれも、聞こえのいいキャリア論ではなく、等身大の判断材料になりました。 もちろん、簡単に勧められる世界ではありません。途中で転職しづらい構造や、ファンドの文化による働き方の差、キャリーも確実なものではない現実もきちんと書かれています。そのうえで、日本のPE市場がこれから拡大していく背景や、独立してファンドを立ち上げる人が増えている現場感まで知れるのは、将来のキャリアを考えるうえで大きな材料になるはずです。 コンサルとして次のステージを探している人、あるいは「もっと深く企業に関わる仕事がしたい」と感じている人には、判断の軸を増やしてくれる一冊だと思います。
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