
室内生活
楠木建
この本について
仕事でも趣味でも、「好きでやってきたことが、どこまで続けていいのか分からない」と迷う瞬間があると思います。がんばりたい気持ちと、なんとなくしっくりこない感覚のあいだで揺れるあの感じです。僕自身も、成果や意味を先に考えすぎて、手が止まる時期がよくあります。 『室内生活』を読むと、そのモヤモヤが少しほぐれます。楠木さんは、書評を書くことを“本業のサイドメニュー”と呼びつつ、ただ「おもしろいから」「心地よいから」続けてきたと言います。合理的な理由より、まずその人にとって自然かどうか。そこで生まれたギブは長く続くし、結果として役に立つこともある。この順番のゆるさが妙に腑に落ちました。ビジネスの話になると急に難しそうに聞こえますが、「レッドブルの市場は存在しない。我々がこれから創造するのだ」という考え方も、結局は自分の興味やコンセプトに忠実でいる姿勢の延長なんですよね。 もう一つ効いたのは、成果よりプロセスで報われるという視点です。オリジナルな人は負けようがない、というあの感覚。自分で選んだ環境で、自分のペースで歩く。その過程に納得できれば、他人のスピードに翻弄されなくなる。ギバーになるにも「会社のためにもっと与えないと」と気合で頑張るのでは続かない、という冷静な指摘も現実的でした。 自分の興味を起点にしたい人、他者への姿勢を整えたい人、そして「急がば回れ」が結局いちばん強いと感じ始めている人には、静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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