
日産vs.ゴーン 支配と暗闘の20年 (文春新書)
井上 久男
文藝春秋 / 2019-02-20
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推定読了時間 約2時間29分
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この本について
仕事の場で、自分の意見がまともに扱われないとか、上層部の判断が現場の感覚とズレている気がするとか、そういう小さなモヤモヤって積み重なるとけっこうしんどいですよね。自分の努力や知恵より、“外から来た誰かの机上の方針”が優先される感じに覚えがある人も多いと思います。 『日産vs.ゴーン』を読んで印象的だったのは、そうした現場の空気がどれだけ組織をゆがめるかが、具体的な事例として淡々と描かれているところです。過剰なコスト削減で疲れ切っていく職場、意見を言う人ほど外されていく構図、気づけば「声の大きい少数」が意思決定を握り、正しいと思っても誰も止められなくなる流れ。歴史の話なんですけど、他人事として読み流せない生々しさがあります。 とはいえ、この本が“教訓めいた答え”を押しつけてくるわけではなくて、むしろ「組織ってこうして揺らぐよね」という現実を見せてくれる感じに近いです。だからこそ、自分の職場で起きている小さな違和感を整理するきっかけになるし、「あの時、なぜあの判断になったのか」を少し客観的に考えられるようになると思います。個人的には、意見を言いづらい空気がどう積み上がるかを知れたことで、自分の立ち回りも変わりました。 上司の判断に少しでも疑問を抱いた経験がある人、組織の空気の作られ方に興味がある人には特に刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
「日産・ルノー提携」の特ダネを1999年にスクープして以来、カルロス・ゴーンを見つめてきたジャーナリストが、その栄光と墜落の軌跡、そして日産社内の権力闘争の実態をあますところなく描いた経済ノンフィクション。 倒産寸前まで追い込まれた日産にルノーから送り込まれたゴーンは、トップ就任からわずか1年半後、過去最高益を叩き出す。 だが、ゴーンには別の顔があった。寵愛する「チルドレン」で配下を固め、意見する者は容赦なく飛ばす。部下に責任を押しつけて更迭し、自分は地位にとどまった。 そして、私物化。ゴーンは私的に購入した金融商品がリーマンショックで18億円もの損失を出した際、一時的にそれを日産に付け替えた。約20億円もの報酬のうちの約半分を退任後に受け取ることにし、有価証券報告書には10億円分しか記載してこなかった。会社のカネで購入した豪華邸宅を私的に利用するなど、公私混同は枚挙に暇がない。 いったいなぜ、ゴーンは道を誤ってしまったのか? ヒントは「歴史」にある。 日産は創業以来、ほぼ20年周期で大きな内紛を起こしてきた。そのつど、「独裁者」と呼ばれる権力者があらわれ、制御不能のモンスターと化した。その独裁者を排除するために新たな権力者を必要とし、新たな権力者がまたモンスターと化していった。 そうした構図が繰り返される背景には、日産が抱えるガバナンスの問題点、そして独裁者をのさばらせた側にも大きな責任があることが浮かび上がってくる。 企業ドキュメントとしての魅力もさることながら、人物ドラマとしても抜群に面白い。 フィクションをしのぐ驚愕の展開!
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