
純喫茶トルンカ (徳間文庫)
八木沢里志
徳間書店 / 2022-06
この本について
人の気持ちって、わかったつもりで全然わかってなかったりしますよね。自分のなかのモヤモヤも、相手が何を考えているかも、整理しようとすると急にむずかしくなる。本気で向き合いたいのに、心を開くのが怖くてつい逃げてしまう。そういう場面、僕自身も何度もやってきました。 『純喫茶トルンカ』の抜粋を読んでいて感じたのは、この作品は「恋愛もの」というより、人が誰かを想うときに起きる不器用さを丁寧に拾っていく物語だということです。たとえば、誰かの言葉でふっと自分の弱さに気付く瞬間や、好意を自覚してしまったあとの落ち着かなさ。逆に、大事にしていたつもりなのに全然伝わってなかったと気づく痛み。そういう細かい心の揺れが、派手ではないけど妙に刺さるんです。 それから、この物語には「人は何度でも誰かを愛せる」という視点があります。恋愛に限らず、家族や仕事、友人…対象はなんでもいいけれど、何かを大事に思う気持ちが人を立て直す。その描かれ方が押しつけがましくなくて、しんどい時にそっと肩を叩いてくれるような距離感なんですよね。過去の失敗や傷を抱えたままでもいい、ちゃんと前に進めるという空気がある。 純喫茶という小さな空間で、登場人物たちが少しずつ心の扉を開いていく。自分のペースで変わっていく。その姿に、読んでいる自分まで少しだけ呼吸が深くなる気がします。特に「人を好きになるのが怖い」「気持ちを素直に出すのが苦手」という人には静かに効いてくると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
目次
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要




