
この本について
国の安全保障の話って、強い意見がぶつかりがちで、正直どこまで自分ごととして考えればいいのか迷うことが多いと思います。自衛隊のニュースを見ても、「本当に今の体制で大丈夫なのかな…」という漠然とした不安はあるのに、具体的な問題点までは掘れないまま終わってしまう。僕自身もずっとその繰り返しでした。 この本は、そのモヤモヤを一度“地面に着地させてくれる”ところがありがたかったです。たとえば、自衛隊が抱える「ヒト・モノ・カネ」が物理的に足りていない現実や、警察と同じ法体系で縛られている特殊な組織であること。ニュースでは絶対に見えにくい部分を、淡々と事実ベースで示してくれるので、問題の大きさがようやく輪郭を持ってきます。また、防衛費をどう見るべきか、国際基準は何なのかといった話も、感情論ではなく数値で説明されるので、耳ざわりの良いスローガンに流されにくくなる感覚がありました。 さらに、現実主義と理想の関係を歴史上の人物を通して解いていくパートは、単なる防衛議論を超えて「僕らは何を望み、どこを目指すのか」という視点の整理に効いてきます。今の延長線だけで物事を判断してしまいがちな人ほど、刺さるかもしれません。 感情的な議論に疲れたけれど、現実から目をそらしたくない人に向く一冊です。僕もそうでしたが、「何となく不安」を「何が問題なのか」に変えたい人には、ちょうどいい距離感で読めると思います。
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