
もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら (宝島SUGOI文庫)
神田桂一 and 菊池良
宝島社 / 2018-09-06
この本について
仕事で気が張りつめていたり、日常がパターン化してくると、「なんでこんな些細なことにも余裕がないんだろう」と感じる時があります。カップ焼きそばみたいな簡単な手順ですら、妙に雑にこなしてしまったり、逆にぼんやり三分を持て余したり。そんな自分にちょっと笑えて、でもどこか救われる瞬間ってありますよね。 この本は、まさにその隙間に入り込んできます。文豪たちの語り口でただのカップ焼きそばを作るだけなのに、やたら大げさで、妙に切なくて、ときどき格調が高すぎて意味が分からない。その「無駄さ」と「真剣さ」の混ざり方が、読んでいるこちらの肩の力を抜いてくれます。三分待つだけの行為を、羅生門の下人みたいに使命感で捉えるのもいいし、村上春樹っぽい視点で「ただ見ているだけ」にしてみるのもいい。自分の中の硬くなった部分に、少し別方向の光が差す感じがあるんですよね。 さらに、このタッチの違いを読み比べていると、「同じ出来事でも、視点が違うだけでこんなに世界が変わるのか」と実感します。仕事で行き詰まった時に発想を切り替える練習にもなるし、日々の単調さをちょっと遊びに変える余白もくれます。文豪の名前を知らなくても大丈夫で、むしろ「些細なことを面白がれる人」にこそしっくりくると思います。 カップ焼きそばというどうでもいい出来事を、ここまで多彩に料理して見せてくれる本はなかなかありません。気持ちにゆとりがない時こそ、三分だけ別の視点に浸かってみると案外リセットされるものです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
読書の順序
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