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限りなく透明に近いブルー (村上龍電子本製作所)

限りなく透明に近いブルー (村上龍電子本製作所)

村上 龍

講談社 / 200904

累計読者数4
平均ハイライト数 4件/人
star総合評価 35/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 27%

この本について

最近、自分が何を感じているのかよくわからなくなる時があります。頭の中ではいろんな景色が巡っているのに、ほんとうのところは掴めないまま日常だけが進んでいくような感覚です。気を抜くと、自分の感情がどこか別の場所に置いていかれてしまうような、あの妙なズレみたいなものです。 『限りなく透明に近いブルー』を読むと、そのズレが一瞬だけ「輪郭を持つ瞬間」があります。たとえば、目を閉じたときに勝手に浮かんでくる映像がごちゃ混ぜになって、現実と夢の境目があいまいになる感覚。あるいは、ただのガラス片が、夜明けの空気に染まりながら「透明に近いブルーだ」としか言えなくなるあの瞬間。説明できないのに確かに“そう見える”という体験に、読者は救われるのかもしれません。自分の中にある曖昧さを、無理に言葉でまとめなくていいんだと言われているようで。 この作品は、主人公たちの破綻した生活や行動そのものより、そこに漂う「うまく言えないまま動いてしまう心の挙動」が胸に残ります。楽しんでいるはずなのに何かを探してしまうことや、自分の正体に気づいたようで実は何も掴めていないこと。その揺れをそのまま差し出してくれるから、こちらの曖昧さとも自然に重なってくるんだと思います。 自分の感情を“きれいに整理できない人”にこそ静かに刺さる一冊です。

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