
メディアの支配者 上下合本版 (講談社文庫)
中川一徳
講談社
この本について
組織の中にいると、「目の前の仕事より、見えないところで何かが動いている気がする」と感じることがありませんか。努力や成果とは別のところで方針が決まり、人事が決まり、空気が変わっていく。そんなとき、自分は何を基準に動けばいいのか、けっこう迷います。 『メディアの支配者』を読んでいて強く思ったのは、権力とか組織運営って、きれいごと抜きにした“人間の動き”でしかないということでした。抜粋にもあるように、トップ同士の信頼が途切れた瞬間に一気に崩れていったり、内部の不満が積み重なってクーデターのように噴き出したり、正論より根回しの方が物を言ったりする。きっと読者の方が保存したのは、そういう「組織の現実」を淡々と描いている部分なんじゃないかと思います。 この本が効くのは、まず“組織で起きる摩擦の正体”を、歴史的事実を通して立体的に見られるところです。誰が悪い、誰が正しいといった単純化ではなく、迷い方や判断の遅れ、人の弱さがどう作用するかがそのまま書かれている。さらに、海外戦略や株主構造、広報ネットワークの話など、普段は見えないレイヤーがどう力を持つのかもリアルに伝わってくるので、自分の仕事に置き換えたときの視点がけっこう変わります。そしてもうひとつ、成功も失敗も“気づかなかった一瞬の判断”で決まっていくという怖さと面白さが、感情論に流されずに描かれている点です。 組織の力学や、人がなぜあんな行動をとるのかを冷静に知りたい人には、とても刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
読書の順序
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