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ブルーネス (文春文庫)

ブルーネス (文春文庫)

伊与原 新

文藝春秋 / 2020-04-08

累計読者数4
平均ハイライト数 5.5件/人
推定読了時間 約5時間43分
star総合評価 48/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 51%

この本について

仕事でも研究でも、前に進みたいのに「自分には力が足りない」「正解が見えない」と立ち止まってしまうことってありますよね。頑張りたい気持ちはあるのに、現実の限界を突きつけられて、どこから手をつけていいか分からなくなるあの感じ。僕もわりと頻繁にそこに落ちます。 『ブルーネス』は、そんなときに「無理に前向きになる必要はないけど、立ちすくんだままでもいられないよな」と静かに背筋を伸ばさせてくれる小説でした。特に響くのは、できることが少ない状況で、それでも手を伸ばした人たちの姿が淡々と描かれているところです。役立たずと呼ばれようが、孤独を抱えていようが、今ある材料で「やれること」を拾い上げていく姿勢が、こちらの思考にも少しずつ移ってきます。 印象的なのは、できない者ができる者の力を借りることを当然の一手として受け入れていく空気や、100パーセントを期待しない関わり方が丁寧に描かれているところです。人に頼ることや、頼られることの温度が少し現実寄りで、妙に救われます。また、海の青さの描写や研究者たちの孤独は、行き詰まりの中でも世界がほんの少し違う色に見える瞬間を思い出させてくれます。 「正解がない中でも、どこかで手を動かしたいと思っている人」に刺さる本です。僕自身、この小説を読んだあと、できることではなく“やれること”を数える癖がつきました。無理に勇ましくならなくていいけれど、止まったままではいられないと感じているときに、ちょうどいい距離で寄り添ってくれる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

〈津波監視システム〉は実現できるのか? はぐれ研究者たちの情熱溢れる理系エンタメ! 「津波監視システムの実現に手を貸して欲しい」。 東日本大震災後、地震研究所を辞めた準平は、学会で異端視されている武智に誘われる。 海洋工学や観測機器などのエキスパートだが個性が強すぎて組織に馴染めない“はみ出し者”たちと、準平は前人未到のプロジェクトに挑むか……。 研究者の情熱ほとばしる科学エンタメ! 解説・巽好幸(神戸大学海洋底探査センター教授・センター長) ※この電子書籍は2016年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています
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