
感染症と文明 共生への道 (岩波新書)
山本 太郎
岩波書店 / 2011-06-21
累計読者数4
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推定読了時間 約2時間49分
star総合評価 59/100
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この本について
感染症の話題って、つい「どう防ぐか」ばかりに意識が向きがちで、気づけばニュースに振り回されて疲れてしまうことがあります。完全にコントロールしたい気持ちはあるのに、どこかで「これって本当に可能なんだろうか」と引っかかる。そんなモヤモヤを抱えている人に、この本はとても静かに効いてきます。 読んで一番揺さぶられるのは、感染症との向き合い方が「勝つか負けるか」ではなく、「不完全なまま折り合いをつけ続けること」なのだという視点です。病原体を根絶した瞬間がゴールではなく、むしろ次の大きな悲劇の下地になる可能性さえあるという指摘は、思い切り思考の向きを変えてくれます。ペニシリン大量生産がマンハッタン計画級の国家プロジェクトだったという歴史も、医学の進歩が常に功罪セットで積み上がってきたことを実感させます。 さらに本書が面白いのは、ペストや麻疹の流行だけでなく、カースト制度の形成や農耕の始まりまで視野に入れて、「人類はどんな環境でどんな妥協をしてきたのか」を丁寧にたどるところです。共生とは心地よさとは真逆の、継続的な小さな不快さの積み重ねだという言葉に、自分の生活や仕事の判断にも通じるものがあるなと感じました。 完全な正解を求めるほどしんどくなるタイプの人に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
感染症との闘いは人類に勝利をもたらすのだろうか。防疫対策による封じ込めは、大きな悲劇の準備にすぎないのかもしれない。共生の道はあるのか。感染症と人類の関係を文明発祥にさかのぼって考察し、社会が作り上げてきた流行の諸相を描き出す。共生とは理想的な均衡ではなく、心地よいとはいえない妥協の産物ではないか。
読んだ内容を、もう忘れない。
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