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免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか (ブルーバックス)

免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか (ブルーバックス)

坂口志文 and 塚﨑朝子

講談社 / 2020-10-22

累計読者数9
平均ハイライト数 90.4件/人
推定読了時間 約3時間58分
star総合評価 75/100
menu_book精読型
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この本について

仕事のことで悩んでいるときって、「自分の判断って本当に正しいのかな」とか、「複雑なものをどう整理したらいいんだろう」と、目の前の課題に自分の“理解力”が追いつかない感じが出てきます。免疫の話も似ていて、言葉は知っていても、その裏側でどれだけ緻密な調整が行われているのかまではなかなか掴めません。私もこの本を読むまでは、免疫って“強いほどいい”くらいの曖昧な理解でした。 この本が面白いのは、Tレグという存在を軸に、免疫の世界にある「暴走を止める知恵」の具体的な仕組みを描いているところです。たとえば、破傷風菌の培養に挑んだ北里の粘り強い観察や、抗体の多様性を生む遺伝子組み換えの発見など、科学が一歩ずつ前に進む姿が生きた物語として出てきます。また、TレグがIL-10やCTLA-4を使って周囲の細胞にブレーキをかける様子を知ると、「抑える」という行為にも高度な戦略があることに気づかされます。単に知識が増えるだけでなく、複雑な状況でも一段引いて見られるようになる感覚がありました。 さらに、がんの局所でTレグが増えると治療の難度が跳ね上がる、といった現場のリアリティも印象的で、机上の概念と実際の病気のつながりが腑に落ちます。細胞レベルの出来事と人間の身体がどう結びつくのかがわかると、曖昧な理解が輪郭を持ち、判断の軸も少し強くなります。 専門書ではありますが、「複雑なものを複雑なまま怖がらずに理解したい人」には特に刺さる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

最新免疫学が教える「非自己」と「自己」とは 私たちの免疫系は、なぜ自己の細胞や抗原に対して反応しないのか? 免疫学の最大の謎ともいえる「免疫自己寛容」の解明に長年取り組んできた著者が、世界で初めて発見した「制御性T細胞」。免疫学にパラダイム・シフトをもたらし、」「がん」や「自己免疫疾患」の治療や「臓器移植」に革命をもたらすとされる研究の最前線に迫る。 坂口志文(さかぐち・しもん) 大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授。1951年滋賀県生まれ。1976年京都大学医学部卒業。医学博士。1999年京都大学再生医科学研究所教授、同研究所長を経て、2011年大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授。2016年から現職。過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」を発見。2015年ガードナー国際賞、2019年文化勲章、2020年ロベルト・コッホ賞など、内外の受賞多数。 第1章 ヒトはなぜ病気になるのか 第2章 「胸腺」に潜む未知なるT細胞 第3章 制御性T細胞の目印を追い求めて 第4章 サプレッサーT細胞の呪縛 第5章 Foxp3遺伝子の発見 第6章 制御性T細胞でがんに挑む 第7章 制御性T細胞が拓く新たな免疫医療 第8章 制御性T細胞とは何者か
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