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マルクスその可能性の中心 (講談社文庫)

マルクスその可能性の中心 (講談社文庫)

柄谷行人

講談社 / 1985-07-08

累計読者数7
平均ハイライト数 13件/人
推定読了時間 約2時間56分
star総合評価 51/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 22%

この本について

仕事でも日常でも、ものごとを「本質」で説明しようとすると急に手が止まるときがあります。自分の見方がどこかで歪んでいる気がするのに、どこがどうズレているのかは言語化できない。そんなモヤモヤを抱えたまま進んでしまう瞬間、けっこうあると思います。 柄谷行人の『マルクスその可能性の中心』は、そのズレ自体をいったん真正面から見せてくれる本でした。たとえば、「価値」や「意味」がどこかに内在しているのではなく、関係の中で生じているだけだという視点は、仕事の判断基準が固まらないときにふと効いてきます。自分の立場が揺れるのは弱さではなく、そもそも世界が差異の上に成り立っているからだ、と思えるだけで少し呼吸がしやすくなりました。また、恐慌を「価値という前提が一瞬で崩れる出来事」として描く部分は、組織や制度の前提がぐらつく状況をどう受け取ればいいのかを考えるヒントにもなります。 この本は、現実を単純化せず、「今見えている枠組み自体がどうできているのか」を落ち着いて問い直したい人に刺さると思います。理解するというより、視線の角度が少し動くような読書でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

作品を読むことの意を問う、画期的マルクス論。作品の外に、どんな哲学も作者の意図も前提にしないで読むこと、まだ思惟されていないものを読むこと、可能性の中心においてマルクスを読むとは、そういうことである。柄谷行人の不朽の名作。 ◎ある作品の豊かさは、著作家が意識的に支配している体系そのものにおいて、なにか彼が「支配していない」体系をもつことにある。……私にとって、マルクスを「読む」ことは、価値形態論において「まだ思惟されていないもの」を読むことなのだ。……マルクスをその可能性の中心において読むとは、そういうことにほかならない。<「序章」より>
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