
母性(新潮文庫)
湊かなえ
新潮社 / 2015-07-01
累計読者数5
平均ハイライト数 48.4件/人
推定読了時間 約3時間49分
star総合評価 74/100
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この本について
親との距離感って、大人になってもずっとつきまといますよね。わかってほしかった気持ちとか、言えなかったひと言とか、今さら思い返して苦しくなることもあると思います。自分の中にある「こうしてほしかった」が、実際の出来事と食い違っていることに気付くと、余計にややこしくなる。 『母性』は、そのしんどさを真正面から描いています。救いの物語ではないけれど、読んでいると、自分の中で曖昧だった感情の輪郭が少しはっきりしてくる感覚がありました。たとえば、相手がくれた愛が自分にとって心地よいとは限らないこと。あるいは、言葉にしなかっただけで、誰かも同じように不器用にもがいていたのかもしれないこと。そういう視点が、物語の端々でじわっとにじんできます。 痛い場面も多いけれど、読者が保存していた抜粋の多くは「本当は手を伸ばしたかった」「でもできなかった」瞬間でした。そこに刺さる人は、きっと自分の過去のどこかと重ねているんだと思います。 親子のことを誰かと比べたくないけれど、自分の中に説明しきれない感情が残っている人に届く本です。自分の歴史を無理に肯定しなくてもいいんだ、と少し呼吸がしやすくなるきっかけをくれます。
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出版社による紹介
女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語(ミステリー)。(解説・間室道子)
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