
見るレッスン~映画史特別講義~ (光文社新書)
蓮實 重彦
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star総合評価 67/100
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この本について
映画を見ていると、つい物語に気持ちが流れていって、「これって本当に良かったのかな」と自分でもよく分からなくなることがあります。見たはずなのに心に残らないとか、逆にしんどいテーマを“救い”で無理やりまとめられるとモヤモヤが残るとか。そういうとき、自分の見方そのものを疑いたくなる瞬間があると思うんです。 『見るレッスン』は、まさにその“見方のほころび”に手を添えてくれる本でした。蓮實さんの言葉は時に厳しいけれど、映画をどう味わうかを押しつけるものではなく、「異質なものにさらされる」「被写体とカメラの距離を感じる」といった、ごまかしのきかない感覚の話をしてくれます。物語ではなくショットを見るという視点も、実際に映画館で試してみると、今まで拾えていなかった揺れや温度に気づけたりして、自分の鑑賞の癖が少しずつ変わっていくのを感じました。 全体として、この本は“映画が救ってくれるかどうか”ではなく、自分が今どんなふうに世界を受け取っているのかを確かめるための道具に近いです。作品に向き合うときの姿勢が変わるので、鑑賞後の余韻の質が変わる。そんな実感をくれる一冊でした。 いつの間にか映画を「分かろう」としすぎて疲れてしまった人、もっと素直に驚けるようになりたい人には特に刺さると思います。
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出版社による紹介
映画は自分の好きなものを、他人の視点など気にせず自由に見ればいい。ただし優れた映画には必ずハッとする瞬間があり、それを逃してはならない。映画が分かるということは安心感をもたらすが、そこで満足するのではなく、その安心を崩す一瞬にまずは驚かなければならない。そして、驚きだけを求めてはいけないし、安心ばかりしているのも否。その塩梅は、画面と向き合う孤独というものを体験することのみで得られる。どのような瞬間に目を見開き、驚くべきかは実際にある程度分かるものであり、その会得のために見ることのレッスンは存在する。サイレント、ドキュメンタリー、ヌーベル・バーグ、そして現代まで120年を超える歴史を、シネマの生き字引が初めて新書で案内。
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