
ショットとは何か
蓮實重彦
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この本について
映画を見ていて、気づくと「物語しか追えていないな…」と落ち込むことがあります。細部を見ようとしても、画面が流れていくスピードに目も記憶も追いつかない。結局、後から残っているのは大まかな流れだけで、「自分は映画をちゃんと見られているのか」という不安がじんわり残るんですよね。 蓮實重彦『ショットとは何か』を読むと、この不安そのものが少し変わります。ショットは厳密でありながら、誰もその全細部を記憶できないという前提から語られるので、「見えていない部分があるのは当然だ」と肩の力が抜ける。そして、物語ではなく、ショットの連鎖そのものに注意を向けると、映画が急に立体的に見えてくる。ジョン・フォードやオルドリッチの照明やしぐさの反復が、なぜあんなに心に残るのか、その理由を「構造」ではなく「現場の緊張」として説明してくれるのが本書の面白いところです。さらに、理論が映画に追いつけないという視点は、分析をする時の慎重さよりも、まず画面に向き合う姿勢を整えてくれます。 物語に回収されない“瞬間”をどう受け取ればいいのか迷っている人に、とてもよく効く本です。映画をもっと丁寧に見たいと思いながら、どこから手をつければいいかわからない人に刺さるはずです。
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出版社による紹介
フランス、イタリア、ロシアからハリウッドまで、映画史を彩る数々の秘話。単行本未収録作を集成した蓮實映画批評シリーズ第三弾!
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