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映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~ (光文社新書)

映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~ (光文社新書)

稲田 豊史

累計読者数75
平均ハイライト数 23.1件/人
star総合評価 68/100
start序盤集中型
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この本について

最近、人と話していて「みんな早送りで観てるらしい」「内容を知らないまま会話に入れないのが不安」みたいな空気を感じることが増えました。自分も仕事が詰まってくると、作品を“味わう”より“消化する”感覚になりがちで、どこか落ち着かないんですよね。そんなモヤモヤに、この本はゆっくり輪郭を与えてくれました。 印象的だったのは、倍速視聴する人たちが「楽しみたい」のではなく「知っておきたい」だけの場合があるという指摘です。悪気があるわけでも、文化に冷たいわけでもなく、ただ“会話に置いていかれたくない”という切実さがある。そこを覗くと、批判よりも人間くささのほうが見えてきます。そして、私たちが気づかないうちに、配信サービスの仕組みやSNSの空気が「最短で理解できるもの」ばかり求める体質にしている可能性があること。ここは痛かったけど、どこか救われるところでもありました。 もうひとつ刺さったのは、作品そのものより“所属感”が優先されてしまう現象です。観ておかないと会話に入れず、沈黙が怖い。それってただの怠慢じゃなくて、場からはみ出したくない気持ちの方が強いだけなんですよね。この本は、そんな現代の視聴行動を「若者が悪い」とか「昔はよかった」とか単純化せず、社会の変化として描いてくれます。 作品をゆっくり観られなくなったり、SNSの目を気にして感想が言いにくくなったり、そんな自分に違和感がある人ほど刺さる本です。読んでみると、いまの自分の視聴習慣を責めるでも正当化するでもなく、「ああ、こういう背景があったのか」と少し呼吸がしやすくなります。

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