
思考の教室
戸田山 和久
筑摩書房 / 20200229
この本について
仕事でも日常でも、誰かの意見を聞いているつもりが、いつのまにか「なんとなく流されていたな…」と後から気づくことがあります。会議で反論したいのに言葉が出ないとか、ネットの議論を読んでいても「これ、本当に筋が通ってるのか?」とモヤモヤだけが残るとか。僕自身、ずっとその感覚を抱えたままやってきました。 『思考の教室』が良かったのは、そのモヤモヤを「気のせい」にせず、ちゃんと分解できるようになるところです。たとえば、集団思考に陥りやすい条件を整理してくれるくだりは、職場の空気が変に固まっていく理由を思い当たらせてくれるし、「ウチのオカン型反論」みたいな日常のズレを言語化してくれるのもありがたい。どれも大げさな理論ではなく、実際に使える“見立ての道具”として機能してくれます。 さらに、サポートの強さを「ツッコミに耐えられるか」で判断する姿勢は、議論の場だけでなく、メール一本書くときにも効いてきます。言い換えや具体例、反例をどう扱うかという細かな部分が、思考の地盤を整えてくれる感じがあるんですよね。うまく書けなくて叱られた経験がある人ほど、ここの話は刺さると思います。 自分の頭で考えたいけれど、正しさより“場”に流されてしまいがちな人に向いている本です。大事なのは賢くなることじゃなくて、議論の「敵」にならないための筋力を少しずつつけることなんだと、読んでいて何度も思いました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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