
この本について
仕事でもチームでも、人をまとめる立場になると「自分はちゃんとやれているんだろうか」と不安になる瞬間が続きます。強く見せようとするとどこか傲慢になりそうで、弱音を吐けば崩れてしまいそうで、その間で揺れる感じです。僕自身もそこから抜け出せず、何を基準に動けばいいのかずっと迷っていました。 『稲盛和夫、かく語りき』は、その迷いに対して派手な答えをくれる本ではありません。でも、読みながら「そうか、こういうところで自分はズレやすいんだ」と静かに気づかされる場面が多かったです。たとえば、社員がついてきてくれるかどうかは、自分自身がどんな姿勢で立っているかに尽きるという話。弱音が出るのは人間だから仕方ないけれど、そこで「いや、それではあかん」と自分を立て直す力を持てるかどうかという話。そして、派手な一手ではなく、足元をこぐ積み重ねしかないという現実的な視点。どれも、きれいごとでは片付かない日常の中で腑に落ちました。 特に、責任の重さに押しつぶされそうな人や、部下や仲間にどう向き合えばいいのか迷っている人には、静かに効いてくる本だと思います。経営者のためだけの本に見えますが、人を導くポジションにいる誰にとっても、背筋を整えてくれるような一冊です。
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