
生きづらい明治社会 不安と競争の時代 (岩波ジュニア新書)
松沢 裕作
岩波書店 / 2018-09
累計読者数46
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推定読了時間 約3時間50分
star総合評価 68/100
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この本について
気づけば「努力すればなんとかなる」を自分に言い聞かせつつ、うまくいかない日は自己責任みたいな空気にのまれてしまう。周りもみんな忙しそうで、弱音を出す場所がないまま走り続けている。こういう息苦しさって、今だけの話じゃないんだろうか……とぼんやり思うことがあります。 この本が面白いのは、明治の人びとも同じように不安と競争のなかで、自分を責めたり、通俗道徳にしがみついたり、「わな」にはまっていたと描くところです。地租改正で個人が税の責任を負うようになったり、努力=成功という価値観が浸透した背景をたどると、なぜ私たちが今も同じ思考回路に引っ張られるのかが少し見えてきます。また、当時の若い男性が、あえて「不良」っぽい振る舞いに向かった理由を知ると、個人の性格というより、環境が人を追い込む構造があるんだと腑に落ちます。 読んでいて救われるのは、「みんな迷っていたし、今の息苦しさにも歴史的な理由がある」とわかることでした。自分の不安を言葉にして人と共有しようとする著者の姿勢も、無理に前向きにならなくていいと思わせてくれます。 競争社会にどこか疲れを感じつつ、「それでも生きていく視点がほしい」と思っている人には静かに刺さる一冊です。
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出版社による紹介
日本が近代化に向けて大きな一歩を踏み出した明治時代は実はとても厳しい社会でした。景気の急激な変動、出世競争、貧困...。さまざまな困難と向き合いながら、人々はこの時代をどう生きたのでしょうか?不安と競争をキーワードに、明治という社会を読み解きます。
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