
世界インフレの謎 (講談社現代新書)
渡辺努
講談社 / 2022-10-20
累計読者数45
平均ハイライト数 37.4件/人
推定読了時間 約4時間6分
star総合評価 78/100
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この本について
物価のニュースを見るたびに、「なんでこんなに上がってるのか、正直よくわからない…」というモヤモヤが自分にもありました。とくに、働き方や生活がここまで変わったのに、ニュースは表面的な説明ばかりで、本当の理由に手が届かない感じがしていました。 この本を読んで少し視界が開けたのは、インフレを“需要が強いから起こる”の一言で片づけないところです。パンデミックで働き手が戻らなくなったことで供給そのものが細り、サービスの価格が簡単には下がらない構造があって、さらには脱グローバル化で企業のコストがじわじわ上がっていく。自分が肌で感じていた変化が、それぞれ別々ではなく、一本の線でつながっていく感覚がありました。 また、中央銀行が金利を動かす裏側が「綿密な計画」ではなく、統計を見ながら泥縄式に判断せざるを得ない現実だったり、私たちが週は労働者、週末は消費者として振る舞うという当たり前の前提が需給バランスに影響していることなど、ニュースではまず触れられない視点が多く、読みながら自分の生活にそのまま重ねられました。 インフレを「なんとなく不安なもの」として放置してきた人ほど刺さる本だと思います。大げさではなく、いま起きていることの筋道を一度落ち着いて確認したいときに、ちょうどいい一冊でした。
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出版社による紹介
なぜ世界は突如として物価高の波に飲み込まれたのか? ウクライナの戦争はその原因ではないことは、データがはっきりと示している。 では”真犯人”は……? 元日銀マンの物価理論トップランナー、異例のヒット『物価とは何か』の著者が、問題の核心を徹底考察する緊急出版! なぜ急にインフレがはじまったのか? だれも予想できなかったのか? ――経済学者も中央銀行も読み間違えた! ウクライナ戦争は原因ではない? ――データが語る「意外な事実」 米欧のインフレ対策は成功する? ――物価制御「伝家の宝刀」が無効になった! 慢性デフレの日本はどうなる? ――「2つの病」に苦しむ日本には、特別な処方箋が必要だ! 本書の「謎解き」は、世界経済が大きく動くダイナミズムを描くのみならず、 日本がきわめて重大な岐路に立たされていることをも明らかにし、私たちに大きな問いかけを突きつける―― 前著よりさらにわかりやすくなった、第一人者による待望の最新論考! 【本書の内容】 第1章 なぜ世界はインフレになったのか――大きな誤解と2つの謎 世界インフレの逆襲/インフレの原因は戦争ではない/真犯人はパンデミック?/より大きな、深刻な謎/変化しつつある経済のメカニズム 第2章 ウイルスはいかにして世界経済と経済学者を翻弄したか 人災と天災/何が経済被害を生み出すのか――経済学者が読み違えたもの/情報と恐怖――世界に伝播したもの/そしてインフレがやってきた 第3章 「後遺症」としての世界インフレ 世界は変わりつつある/中央銀行はいかにしてインフレを制御できるようになったか/見落とされていたファクター/「サービス経済化」トレンドの反転――消費者の行動変容/もう職場へは戻らない――労働者の行動変容/脱グローバル化――企業の行動変容/「3つの後遺症」がもたらす「新たな価格体系」への移行 第4章 日本だけが苦しむ「2つの病」――デフレという慢性病と急性インフレ 取り残された日本/デフレという「慢性病」/なぜデフレは日本に根づいてしまったのか/変化の兆しと2つのシナリオ/コラム:「安いニッポン」現象 第5章 世界はインフレとどう闘うのか 米欧の中央銀行が直面する矛盾と限界/賃金・物価スパイラルへの懸念と「賃金凍結」/日本版賃金・物価スパイラル 116 参考文献 図表出典一覧
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