
神様の暇つぶし (文春文庫)
千早 茜
文藝春秋 / 2022-07-06
累計読者数8
平均ハイライト数 11.5件/人
推定読了時間 約3時間47分
star総合評価 54/100
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check_circle推定完走率 39%
この本について
人と関わるたびに「もう出会う前の自分には戻れないな」と思う瞬間があります。進む道を選べないまま流されてしまったり、思い出だけが濾されて残っていく感じに不安を覚えたり。そんなとき、自分の物語と他人の物語の境界がわからなくなって、ふっと立ち止まってしまうことがあると思います。 『神様の暇つぶし』が効いてくるのは、まさにその曖昧な揺れを、そのままの「重さ」として受け止めてくれるところです。関係が完全に重ならないことへの寂しさも、自分の足で右折しなきゃどこにも行けない現実も、きれいごとにせず描いてくれる。読みながら、これは自分の話ではないはずなのに、時間が記憶を濾過していく感触や、夏の空気に押し返されるような息苦しさが、自分の体験と奇妙に重なっていきました。誰かを忘れられないまま、それでも一歩ずつ生きていくしかないという当たり前の事実を、少しだけ違う角度から見せてくれる小説だと思います。 特に「自分の物語をどう扱えばいいのかわからない人」に刺さるはずです。失ったものにも、選べなかった道にも、すぐに答えは出ません。でも、この本を読んだあとだと、その曖昧さのままでも前に進んでいいのかもしれない、と静かに思えてきます。
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出版社による紹介
親を亡くし一人になった20歳の夏、父よりも年上の写真家の男と出会った——。 男の最後の写真集を前にあのひとときが蘇る。妙に人懐っこいくせに、時折みせるひやりとした目つき。 臆病な私の心に踏み込んで揺さぶった。彼と出会う前の自分にはもう戻れない。 唯一無二の関係を生々しく鮮烈に描いた恋愛小説。 解説・石内都 ※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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