
人の心はどこまでわかるか (講談社+α新書)
河合隼雄
講談社 / 2000-03-01
この本について
最近、人の悩みを聞いていて「どこまで踏み込んでいいんだろう」と迷うことが増えました。相手のために動いたつもりが、逆に状況をこじらせてしまった気がして落ち込む。かといって距離を取りすぎると、今度は「逃げてるだけじゃないか」と自分を責める。この辺の揺れは、誰かの心に関わろうとすると避けられないものなんだと思います。 河合隼雄さんの『人の心はどこまでわかるか』は、この“揺れ”そのものを否定しません。むしろ、心を扱う仕事の本質は、わからなさを抱えたまま一緒に立ち止まることだと繰り返し語られます。「何かしてあげなきゃ」と焦るほど、余計な慰めや判断に逃げてしまう。そんな時に、「なにもしないことに全力をあげる」という言葉が、自分の呼吸を整えてくれる感じがありました。AかBかを急いで決めずに、二律背反の状態をそのまま温めておくという姿勢も、日常の対人関係にそのまま持ち込めます。 もう一つ、この本が教えてくれたのは、関わる側の足場をどう確保するかという現実的な視点です。時間や場所といった枠を設定するのは冷たさではなく、巻き込まれすぎて双方が危うくなるのを防ぐための支えになる。心に向き合うって、精神論だけでは続かないんだと腑に落ちました。 人の話を真剣に聞こうとして疲れてしまいがちな人、自分の“助けたい気持ち”との付き合い方に悩んでいる人には、静かに効く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt
カウンセリングを語る(上) (講談社+α文庫)
河合隼雄

Compassion(コンパッション)――状況にのみこまれずに、本当に必要な変容を導く、「共にいる」力
ジョアン・ハリファックス, 一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート, and 海野桂

なんで僕に聞くんだろう。 (幻冬舎単行本)
幡野広志

「死にたい」に現場で向き合う---自殺予防の最前線
松本 俊彦

語りきれないこと 危機と傷みの哲学 (角川oneテーマ21)
鷲田 清一
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要




