
母性社会日本の病理 (講談社+α文庫)
河合隼雄
累計読者数10
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この本について
人と関わるとき、「自分をどう出せばいいのか分からない」とか、「場の空気に合わせるほど、自分がどんどん薄まっていく感じがする」というモヤモヤ、けっこう根深いと思います。頑張って“ちゃんとやろう”とすると場違いになるし、引けば引いたで疎外感が残る。僕自身ずっとこの揺れの中にいます。 河合隼雄『母性社会日本の病理』は、これをすぐに解決してくれる本ではありませんが、「なぜそう感じるのか」を別の角度から照らしてくれます。例えば、日本では「場に属するかどうか」が個人の善悪よりも決定的になるという指摘。これを知るだけで、自分の生きづらさが“性格の弱さ”ではなく“文化的な力学”に根を持つと分かり、肩の力が少し抜けました。また、母性と父性という二つの原理のバランスで社会を見る視点も、自己紹介ひとつで緊張が爆発する理由を説明してくれるように感じます。鍛える父性と包み込む母性、どちらが悪いわけでもなく、ただ偏ると個人の自立や関係の結び方に歪みが出る。その現実的なところが、この本の効きどころです。 自分の生きづらさを「構造」として見たい人に刺さる一冊だと思います。読んだからといってすぐに何かが変わるわけではないけれど、日常で感じる“場との距離感”の扱い方が、少しだけ楽になります。
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