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亀裂 創業家の悲劇

亀裂 創業家の悲劇

高橋篤史

講談社 / 2022-09-16

累計読者数6
平均ハイライト数 3.2件/人
推定読了時間 約3時間30分
star総合評価 30/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 20%

この本について

仕事でも家のことでも、長く続いてきたものが急に揺らぎ始める瞬間ってありますよね。自分の努力だけでは動かせない大きな流れに巻き込まれて、「この先どうなるんだろう」と落ち着かないまま日々を回している感じ。特に会社の将来や承継の話が少しでも頭をよぎる立場だと、その不安は言葉にしづらいまま溜まっていきます。 『亀裂 創業家の悲劇』を読んでいて感じたのは、そのモヤモヤの正体が、個人の問題というより“時代そのものが変わってしまったこと”にある、という視点でした。例えば巨大企業ですら価格と品質のバランスを見失えばあっけなく衰退していく現実や、創業家の象徴のようなビルが静かに姿を消していく描写には、組織にいる自分たちの立ち位置まで揺さぶられるような感覚があります。また、経営者の年齢分布がいつの間にか高齢側にずれ込んでしまい、承継が間に合わなくなっている統計も、日常の不安と地続きだと気づかされました。 この本が効くのは、経営者のドラマを眺めるというより、「なぜ今こんな息苦しさを抱えているのか」を外側から整理させてくれるところです。創業家の崩壊劇を描きながらも、ただ特殊な話として終わらせず、自分の周りの組織や働き方をどう見直すかのヒントが静かに染みてきます。特に、会社の“昔からの当たり前”に違和感を覚え始めている人には刺さる一冊だと思います。 派手な成功論とは無縁ですが、時代の揺れの中で自分の立ち位置を考え直したいとき、ちょうどいい距離感で読める本でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

時代を読み、需要を先取りする動物的な勘。 多くの人を惹きつけ、統率する牽引力。 そして、強烈な自負心と強運。 日本を代表する有名企業をつくった「創業社長」には、どこか共通するカリスマ性がある。 しかし、創業社長のカリスマ性が大きければ大きいほど、その去り際、そして去ったあとには、巨大な陥穽が残されることになる。 セイコーの服部家、国際興業・小佐野賢治、ロッテ・重光武雄といった昭和を象徴する創業者の後継者たちは、いずれも大きな混沌を経験した。 ソニーを創業した盛田昭夫氏の長男・盛田英夫氏は、ソニー株をはじめ多額の資産を父から相続したが、それをスキー場開発やF1レースへの参戦などに膨大な資金をつぎ込み、ついにそのすべてを費消しつくした。盛田家の祖業である醸造業に取り組んだがそれもうまくいかず、それでも都心の高級ホテル住まいをつづけ、最後はその滞在費を払うこともできないところまで追い込まれた。 英夫氏は、「盛田昭夫」という巨大な存在から逃れ、克服するために自分だけの成功を追い求めたのかもしれないが、結局それは果たせなかった。 ユニバーサル・エンターテインメントの岡田家、大塚家具の大塚家、大戸屋の三森家、ゲオの遠藤家も、会社の経営権をめぐって、激しい内紛を展開している。 さらに、創業家の持つ巨額の資産には、「資本のハイエナ」と呼ばれるような地下金融の住人たちや、M資金という古典的な詐欺師たちが群がり、甘言を尽くしてカネを吸い取ろうとする。 目を覆うような悲喜劇は、そこに巨額の資産があるからこそ起こる。 リア王やマクベスを地で行く、裏切りと転落のドラマ。 経済事件取材のトップランナーである筆者が、その圧倒的な取材力と筆力によって構成する最上級の経済ノンフィクション。
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