
スタートアップのための人事制度の作り方 キャリア開発を促し、自社のバリューを浸透させる
金田 宏之
翔泳社 / 2023-05-24
この本について
人事制度づくりって、やったほうがいいのは分かってるのに、手をつけるとすぐ深い沼に落ちていく感じがありますよね。等級や評価や報酬をどう切り分けるのか、相対評価はどこまで許容できるのか、採用候補者に制度を説明したときに「本当に納得してもらえるのか」など、私もずっと曖昧なまま扱ってきた部分でした。 この本がよかったのは、ふわっとした理想論ではなく、実際のスタートアップで起きている“制度と実態のズレ”をそのまま取り上げているところです。例えば、等級を公開できない理由が「実力と合っていないケースが多いから」という現場のリアルを突きつけつつ、仮等級の運用や報酬レンジの扱いなど、現実的に軌道修正する方法がちゃんと書かれている。あるいは、相対評価を評価制度から切り離し、人件費コントロールの領域として整理する流れも、モヤモヤを言語化してくれる感覚がありました。 そしてもう一つ大きかったのは、「評価は毎日のコミュニケーションの積み重ね」という前提を置いたうえで、自己評価を見ずにメイン評価・サブ評価を行うなど、バイアスを避けるための実務が丁寧に示されていたことです。制度が“嘘くさく”見える原因や、メンバーの納得感の壊れやすさにもちゃんと踏み込んでいて、読みながら自分の組織の痛いところを何度も思い出しました。 スタートアップで人事制度を整えたいけれど、教科書的な話では現場に落とし込めないと感じている人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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