
禍
小田雅久仁
新潮社 / 2023-07-12
累計読者数4
平均ハイライト数 1.8件/人
推定読了時間 約4時間18分
star総合評価 40/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 50%
この本について
人を憎んでしまったあと、自分の中に残るざらつきって、なかなか手放せないですよね。相手の言動とは関係ないところまで黒く染まっていく感じというか、気づくと日常のあらゆる出来事に意味づけをしてしまって、ますます自分を追い込んでしまう。頭では「やめたい」と思っても、気持ちは勝手に転がっていく。そんな経験、けっこうあるんじゃないかと思います。 小田雅久仁『禍』は、その黒い感情の“転がり方”を異様なまでに丁寧に描きます。誰かを憎むと、それが雪玉のように膨らんでいき、関係のないものまで巻きこんでしまう感覚。世界のほうから責められているように思えてくる圧迫感。さらには、起きたことすべてに「運命の徴」を読み取ろうとしてしまう心理。このあたり、フィクションなのに妙に現実的で、読んでいて胸の奥が動かされます。物語そのものが悩みを解決してくれるというより、感情の暗い流れを“外側から”見る視点が生まれるのが、この作品の効きどころだと思います。 感情の渦にのみ込まれる自分を、少し距離を置いて見たい人に刺さるはずです。読後、心の中で暴れていたものの形が、前より少しだけわかるようになるかもしれません。
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出版社による紹介
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