
Investment Banking 投資銀行業務の実践ガイド
ジョシュア・ローゼンバウム, ジョシュア・パール, and 森生 明
翔泳社 / 2023-08-31
この本について
投資案件を検討するとき、数字は揃っているはずなのに「結局この前提でいいのか…」と手が止まることが多いです。IRRのハードルをどこに置くべきか、DCFの予測期間をどう決めるか、運転資本やCapexの扱いをどう整えるか。実務っぽい論点ほど、人に聞きにくい“微妙な迷い”が残るんですよね。 この本は、その曖昧さを地道にほどいてくれるタイプの一冊でした。例えば、5年間で15〜20%のIRRが目安になる理由を“ファンドの意思決定プロセス”から説明してくれるし、セクターの性質によって予測期間が変わる場面も具体的に示してくれます。過去データをどう扱えば予想がぶれにくいかとか、最終年度のCapexと減価償却費を揃える実務上の感覚など、現場で「その判断どうしてるの?」と思っていた部分が言語化されていて助かりました。 個人的に良かったのは、市場価値と本源的価値を切り分けて考える姿勢が徹底しているところです。コンプスが効かない局面でDCFがどう機能するか、逆にDCFにも限界があることを淡々と示してくれるので、評価手法を“使い分ける”感覚がつかめます。LBOや買収効果分析、債務ストラクチャーも扱われていて、資本構成の判断をどう積み上げていくかのイメージも持ちやすくなります。 数字に強くなりたいというより、「前提を自分で説明できるようになりたい」人に刺さる本です。実務の肌感を補強したいときに、机の横に置いておくと心強い一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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