
ばにらさま (文春文庫)
山本 文緒
累計読者数3
平均ハイライト数 1.3件/人
star総合評価 36/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 63%
この本について
人間関係のことで、ふと「自分はちゃんと人と向き合えているんだろうか」と不安になる時があります。相手の気持ちを考えているつもりでも独りよがりだったり、逆に距離を詰めるのが怖くて踏み込めなかったり。頭では大人らしく振る舞っているつもりでも、内側は案外ぐちゃっとしているままです。 『ばにらさま』は、そのぐちゃぐちゃを丁寧に描いてくれる小説でした。保存された抜粋にもありますが、「人生のパートナーは一人ではない」と言い切る感じに、現実の手触りがあるんですよね。恋愛や関係性を絶対的な相性で語らず、想像力や相手を慮る余白、そして偶然の縁まで含めて考える視点は、息が詰まっていた人間関係を少しゆるめてくれます。また、ネットに心情を書く行為についても、見られたい気持ちと見せたくない本音のあいだで揺れる感覚がすごくリアルで、自分の発信の癖を客観的に見つめ直すきっかけになりました。 特別に劇的な答えをくれる本ではありません。でも、自分の不器用さをなかったことにしなくていいと思える余白をくれます。人との距離感でつまずきやすい人に静かに効いてくる一冊だと思います。
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出版社による紹介
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