
2040年アパレルの未来―「成長なき世界」で創る、持続可能な循環型・再生型ビジネス
福田 稔
東洋経済新報社 / 2023-12-06
この本について
服づくりに関わっていると、「このまま大量生産・大量消費の前提で仕事を続けていいのか」と胸のどこかでモヤモヤする瞬間があると思います。現場では売上を追う一方で、環境負荷や供給過多のニュースを見るたびに、何が正解なのかよく分からなくなる。僕自身、このギャップにずっと揺れてきました。 この本は、そうした不安に対して劇的な解決策を示すというより、「これからのアパレルをどう“現実的に”つくり直すか」を地に足のついた形で見せてくれます。たとえば、業界全体の CO₂ 排出が世界の 8〜10% に及ぶという事実を起点に、リユースやリサイクルが例外ではなく“標準”になる理由を丁寧に説明してくれますし、DPP や CtoC の広がりなど、すでに動き始めている具体的な仕組みが多く紹介されています。特に、スローダウンを「悪いことではなく、社会を安定に向かわせる流れ」と捉える視点は、数字と現場事例を併せて語られている分、妙な説得力がありました。 読みながら、資本主義を一度止めるのではなく、企業のパワーの使い方を調整しながら、ニッチな市場や循環型モデルに活路を見出せばいいのかもしれない、と少し肩の力が抜けました。豪華なビジョンより、北九州の工場でのリサイクル実装や、回収封筒を同梱する仕組みなど、日常の延長で取り組める話が多いのも助かりました。 ファッションの未来に不安を抱えつつ、「でも現場からできることはあるはず」と感じている人には、じわっと効く一冊だと思います。
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多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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