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文学のエコロジー

文学のエコロジー

山本貴光

講談社 / 2023-11-24

累計読者数5
平均ハイライト数 6件/人
推定読了時間 約5時間14分
star総合評価 42/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 17%

この本について

文章を読んでいて、「結局、どこまでが作者が書いたことで、どこから先は自分の読みなのか」みたいな境界があいまいなまま進んでしまうことってありませんか。物語の世界に入り込んだつもりでも、どこかで手応えが薄いというか、作品との距離がつかみきれないまま読み終えてしまう感じです。僕もよくそのモヤモヤに引っかかっていました。 『文学のエコロジー』は、まさにその「読んでいるつもりなのに、掴みどころがない」状態に少し輪郭を与えてくれる本でした。抜粋にあるように、作品は文字だけでなく、省略によって成り立っているという視点を置かれると、読みながら自分がどこを補っているのかがゆっくり見えてきます。また、TRPGのように「潜在性をデザインする」という考え方を通すと、作者がどんな条件を仕込んで世界を立ち上げようとしたのか、その構造に気づける瞬間が増えるんですよね。読みが当たりかどうかではなく、世界の成り方そのものを追えるようになる感覚に近いです。 あと個人的に助かったのは、作品をプログラムのように見る視点です。作品を前にしたとき、「なんとなく読む」から一歩抜け出して、条件や仕掛けを探しながら読むようになり、結果として読み返しの密度が上がりました。派手なテクニックではなく、目の前の作品への入り方が少し変わる。本書はそのきっかけをくれるタイプの一冊だと思います。 こんな人に刺さるのは、物語をもっと深く味わいたいけれど、どこから手をつければいいのか迷っている人です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

文芸作品をコンピュータで動くシミュレーションとしてつくるとしたら、なにをどうすればよいだろうか。作品をゲームクリエーターの目、プログラマーの目で眺める。構造やメカニクスに焦点を当てる技術を駆使し、文学をエコロジーとして見る。作品世界を探検するための地図を持とう。 小説にはなにが書かれて、なにが書かれていないのか。客観的に作品を眺めることで、見えてくる、楽しめる、作品世界とその魅力。
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