
コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと (NHK出版新書)
川上 量生
NHK出版 / 2015-04-11
この本について
ものづくりに関わっていると、「自分の感覚って正しいのか」「もっと“本物”に近づけないといけないのか」と迷うことが多いですよね。とくに企画やデザイン、文章の仕事をしていると、どこまで再現すべきで、どこからが“盛りすぎ”なのか、いつも判断に揺れます。僕もずっとその境目がつかめずにいました。 この本は、ジブリにいた著者が、アニメという制約だらけの現場で交わされていたリアルな議論をもとに、「そもそも人はどう世界を認識しているのか」「なにを“似ている”と感じるのか」というところからコンテンツの本質を考え直してくれます。人間は現実そのものを見ているのではなく、脳の中の“単純化されたイメージ”と照らして判断している。だから、アニメが線の数や情報量を操作することで伝わり方が変わるように、僕らの仕事も“盛る/削る”の基準が見えてくるんですよね。 読んでいて特に効いたのは、「忠実に再現すればいいわけではない」という指摘でした。動きを完全に真似ても面白くならないし、情報量を増やせば理解しやすくなるわけでもない。むしろ、脳が受け取れる“ちょうどいい単純化”を探ることが大事で、これは文章でも企画でも同じだなと感じました。また、著者が強調する「制限があるからこそクリエイションが生まれる」という視点も、日々の仕事の行き詰まりを少し軽くしてくれます。 自分のつくるものが「なんか伝わらない」と感じている人には静かに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
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