
アメリカは自己啓発本でできている
尾崎俊介
平凡社 / 2024-02-21
この本について
仕事でも人生でも、状況をどうにかしたいのに、自分の考え方が固まっていて動けない時ってありますよね。誰かの言葉に振り回されるのも嫌だけど、自分の中に答えがあると言われても、正直どう探せばいいのか分からない。そんなモヤモヤを抱えたまま日々を回している人は多いと思います。 この本は「自己啓発」というジャンルを、歴史や文化の流れの中で眺め直す一冊です。といっても学術書みたいに堅苦しいわけではなく、「なぜ僕らはこういう考え方に惹かれるのか」を、アメリカやイギリスの具体的な事例から示してくれる。たとえば、自分を変えるしかないという発想がどこから来たのかとか、コーチングが“教えない”方向に進んだ背景とか、当たり前だと思っていた考えの由来がすっと理解できるんです。仕組みが分かると、不思議と距離が取れて、必要以上に振り回されなくなります。 もう一つ、この本が面白いのは、「考え方を変えろ」と押しつけてこないところです。むしろ著者自身が図書館で調べ物をしながら迷ったり、未知のジャンルの本を毎年読んで脳みそをほぐしていたりする。その姿に、肩の力が抜けるというか、学ぶってこういう温度でいいんだなと思わされます。「知っているふりをしないほうが、相手から学べる」という話も、自分の生活にすぐ落とし込める視点でした。 自己啓発に少し距離を置きたいけど、まったく無関心にもなれない人に刺さると思います。自分が信じてきた“前提”を静かに見直したい時に、ちょうどいい一冊でした。
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