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我が友、スミス (集英社文庫)

我が友、スミス (集英社文庫)

石田夏穂

集英社 / 2024-03-19

累計読者数4
平均ハイライト数 35件/人
推定読了時間 約1時間35分
star総合評価 70/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 35%

この本について

仕事でも日常でも、周りとうまく噛み合わなくて「あれ、なんで自分だけ違う空気を吸ってるんだろう」と思う瞬間ってありますよね。笑っておくのが正解なのはわかるけど、どうしても納得できない。理不尽とまでは言わないけれど、説明のつかない違和感だけが積もっていく。私もそこをうまく処理できずに、ずっと持て余してきました。 『我が友、スミス』は、その違和感を“無かったこと”にしない物語でした。著者はボディコンテストという特殊な世界に飛び込みながら、結局そこにも社会の縮図があることに気づいていきます。生まれ持ったカードへのしぶしぶの諦め、人に見られることで引き出される集中力、そして極端に走った先でやっと見える「自分の大したことなさ」。このあたりの描写に共感が集まっているのだと思います。筋トレの話に見えて、実際には“社会と折り合いをつけること”と“それでも自分を選び直すこと”が丁寧に書かれているんですよね。 特に印象的なのは、主人公が「別の生き物になりたかった」と気づく場面です。これは自己改革というより、長年まとわりついていた価値観から一時的に距離を取る感覚に近い。筋肥大や水抜きといった具体的な工程を描きながら、そこで得られる集中や謙虚さが、日常にもじわじわ効いてくる。読みながら、私自身も“自分が普段どれだけ他人の視線で物事を判断していたか”に気づかされました。 なので、この本は「人付き合いが苦手」とか「社会に疲れた」というよりも、もっと静かな場所でモヤモヤを抱えてきた人に届く一冊です。「極端な世界の話なんて自分とは関係ない」と思う方ほど、思わぬところで心に刺さるはずです。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

「別の生き物になりたい」――筋トレに励む会社員・U野は、Gジムで自己流のトレーニングをしていたところ、O島からボディ・ビル大会への出場を勧められ、本格的な筋トレと食事管理を始める。しかし、大会で結果を残すためには筋肉のみならず「女らしさ」も鍛えなければならなかった…。鍛錬の甲斐あって身体は仕上がっていくが、職場では彼氏ができてダイエットをしていると思われ、母からは「ムキムキにならないでよ」と心無い言葉をかけられる。モヤモヤした思いを解消できないまま迎えた大会当日。彼女が決勝の舞台で取った行動とは? 世の常識に疑問を投げかける圧巻のデビュー作!
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