
僕の狂ったフェミ彼女
ミン・ジヒョン and 加藤慧
イースト・プレス / 2022-03-17
この本について
将来のことを考えると不安になる時ってありますよね。結婚したらしたで「これで良かったのか」とモヤつくし、しないならしないで「寂しくなるんじゃないか」と脅される。そこにジェンダーの話題が絡むと、相手の感じている痛みも、自分の中の違和感も、どこから手をつけていいのかわからなくなる。僕自身、このあたりでずっと足踏みしてきました。 『僕の狂ったフェミ彼女』は、その“うまく言えないモヤ”を、男女双方の視点から直球で描いてくる小説です。読んでいて刺さったのは、彼女の言葉が「正しさの押し付け」じゃなくて、生きてきた中で積み重なった恐怖や孤独から出ているものだとわかる瞬間でした。説明しても伝わらないことがあるという距離感、そして男性側にも「わかりたいと思ったことがなかった」という気づきがあるところ。どちらも、避けてきたテーマにそっと手を伸ばすきっかけになりました。 さらに、この本は“結論を教えてくれるタイプ”ではありません。むしろ、読んだ後に自分の身の回りの会話が少しだけ変わるような作用をする本です。例えば「相手がそれを怖がる理由」を想像できるようになったり、自分が感じている不安を「それはおかしくない」と言語化できたり。関係性の中で静かに効いてくる種類の読書でした。 フェミとかジェンダーとか、その言葉だけで疲れてしまう人ほど、この小説の温度はちょうどいいと思います。刺さるのは、誰かを論破したい人じゃなくて、「わからないまま止まっている自分を、少しだけ前に進めたい人」です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの47%が集中しています。
読書の順序
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