
アドレナリンジャンキー プロジェクトの現在と未来を映す86パターン
トム デマルコ、ピーター フルシュカ、ティム リスター、スティーブ マクメナミン、ジェームズ ロバートソン、スザンヌ ロバートソン、伊豆原 弓
日経BP / 2009-10-26
この本について
仕事が常に火事場みたいになっていて、「気づいたら全部が緊急案件になっている」「会議では誰も本音を言わないまま進む」みたいな状態、心当たりがある人は多いと思います。自分もそういう現場にいると、どこから手をつければいいのかよくわからなくなるんですよね。気合いじゃなくて、仕組みのほうが壊れている感じがするやつです。 この本が面白いのは、そういう“うまく言語化できない違和感”を86のパターンとして並べてくれているところです。例えば、失敗が迫るまでステータスが全部「緑」のまま動かないチームの風景とか、緊急性だけを基準に仕事を進めて長期的なことが永遠に後回しになる構造とか、一緒に働くメンバーが同じ場所に集まった瞬間に急に回りだす理由とか、読んでいて「ああ、これだったのか」と腑に落ちる瞬間が多いです。誰かを責めるというより、組織の“クセ”を見抜くための眼鏡をひとつ渡される感覚に近いです。 個人的には、沈黙が同意だとみなされてしまう怖さや、マネジャーの役割が「乳母なのか管理人なのか」でチームの雰囲気が変わる、という指摘が特に刺さりました。現場の人間が燃え尽きる理由も、コンテキストスイッチで生産性が落ちていく仕組みも、感情論ではなく観察ベースで説明されていて、今の自分の働き方を見直すヒントがけっこうあります。 プロジェクトの混乱に慣れすぎて「まあこういうものか」と思い始めている人ほど、静かに効いてくる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
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