
パラドックス思考 ― 矛盾に満ちた世界で最適な問題解決をはかる
舘野 泰一 and 安斎 勇樹
ダイヤモンド社 / 2023-03-01
この本について
仕事でも私生活でも、「どっちも大事なんだけど、どっちかを選ぶと後味が悪い」みたいな場面ってありますよね。任せたいのに口を出してしまうとか、褒められたいのに目立ちたくないとか、頭では整理できているつもりでも、気持ちだけがぐるぐるするあの感じです。僕もずっとこのタイプで、原因を外に探しては余計に混乱していました。 この本が面白いのは、そうしたモヤモヤを「矛盾してるからダメ」ではなく、「人はそもそも矛盾だらけ」という前提で扱ってくれるところです。例えば、部下に任せたのに結局自分が救世主みたいに介入してしまうリーダー像は、読んだ瞬間に自分の行動がフラッシュバックしました。外発的な評価に寄りかかるほど「得意技」に縛られてしまう仕組みや、役割の境界線のグレーが組織を強くするという視点も、肩の力が抜ける一方で、明日からの動き方を変えてくれます。 特に刺さったのは、「感情パラドックス」をほどくことで問題が前に進む、という考え方です。嫉妬や承認欲求といった隠しておきたい気持ちもいったんテーブルに出すと、不思議と選択肢が広がる。矛盾を排除しようとするほど苦しくなる理由が、すっと腑に落ちました。 同じ場所で足踏みしている感覚が続いている人や、「正しさ」で解決しようとして疲れた人には特に響くと思います。自分のめんどくささを少しだけ許せるようになる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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