
イノベーションへの解 Harvard business school press
Clayton M. Christensen, Michael E. Raynor, 櫻井 祐子, and 玉田 俊平太
この本について
仕事で新しい企画を考えるたびに、「結局どこに投資すべきなんだろう」「今のやり方を続けていていいのか」と手が止まることがあります。数字は悪くないのに、未来に向けた判断だけがやけに心もとない。そんなときに読み返したのが『イノベーションへの解』でした。派手な成功論ではなく、現実の組織がどう意思決定し、どこでつまずくのかをかなり丁寧に描いています。 個人的に効いたのは、まず「財務データは過去の健康診断でしかない」という視点でした。今の数字に安心して動けなくなることが多かったのですが、そもそも“未来の健全性を見る方法”が違う、と腹落ちします。もうひとつは、破壊的な芽を既存の資源配分プロセスに入れるとほぼ潰れる、という指摘。自分の職場でも「良いアイデアなのに毎年の予算査定で消える」という光景に覚えがあり、妙に刺さりました。そして最後に、顧客の“やりたい用事”に立ち返る話。高機能かどうかより、誰のどんな不便が片づくのかを見直すと、案外判断がクリアになります。 既存のやり方に違和感があるけれど、何をどう変えればいいのか掴めない人に向いている本だと思います。今の延長線では判断できない場面で、少しだけ視界を引き上げてくれる一冊でした。
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